YouTubeチャンネルにて『設備講座動画#17』をアップロードしました。
今回は「スリーブ」の地中梁スリーブ編として、作図検討における基本事項や検討時の大事なポイントなどを紹介しています。
施工図検討で一番最初に必要になるのがピット配管・地中梁スリーブの検討ですので、不足している情報があれば早めに設計さんや建築さんに確認するようにしましょう。
動画内で説明している内容の補足をスライド毎に簡易的に解説します。
内容は業界経験2年~5年生あたりが対象となります。
目次
1.地中梁スリーブの穿孔条件と補強筋



最近では工事受注から現場担当者が配属されるタイミングがすでに建築の根切りが終わっていて地中梁検討までの時間がほとんど無いなんてパターンを多く見かけます。
設備工事の全体工程の中でも一番最初に検討が必要になるのが地中梁スリーブです。
設計図データを渡されゆっくり建物概要を把握したいところですが、時間が無い時はとにかく検討するための情報が揃っているかを一番に確認するようにしましょう。
特に地中梁スリーブを検討する上で、梁穿孔条件を確認することが最優先となります。
構造設計図の特記仕様書に条件が記載されています。
梁の穿孔条件は主に以下の5つです。
①孔径の条件
②柱からの離隔
③直交梁からの離隔
④梁上部・下部からの離隔
⑤スリーブ同士の離隔
ここで、②の条件が設置範囲に大きく影響するのですが、地中梁は地上階の梁と比較すると梁成がかなり大きくなるとこが多いため、柱からの離隔条件L=梁成Hなど、梁成に対して基準となっている場合スリーブを空けられる範囲が極端に制限されてしまいます。
地上階では大梁でも800mm~1mですが、地中梁は梁成が1.5mや2.0mを超える場合もあります。
こういった場合、地中梁用に別途条件を設けることが一般的になりますが、構造設計図に記載されていないことが多くあります。
②に限らず、③の直交差梁からの条件が無かったり、④の梁上下部からの離隔も梁成に対して1/3がNGなどの条件だとまずピット配管が納まらなくなってしまいます。
急ぎ検討が必要だからこそ、設備設計図を確認することも大切ですが、それ以上に構造設計図をチェックし地中梁スリーブを検討するための条件が揃っているかを最初に確認するようにしましょう。
補強方法が既製品を利用する場合は、メーカーによっても穿孔条件が異なります。
設計図に記載されている条件が少ない場合は、建築にて使用するメーカーを確認し、その条件で検討を進めることもあります。
現場が動き始めたばかりのタイミングでは構造設計への確認に時間を要する場合もあります。
その場合は、仮条件を決めて検討を進めることも時に必要になります。このあたりは現場の状況をよく確認しながら適宜現場代理人が判断しましょう。
現場の初動で躓いてしまいケチが付くのも面白くないですからね。
2.スリーブ同士の離隔とスリーブの外径


地中梁は基本的に鉄筋コンクリート(RC)造となります。
そして設置するスリーブの材質は一般的に塩ビ配管を使用します。
RC造の隣り合うスリーブ同士の離隔は一般的に3D【スリーブ外径の平均値の3倍】となることが多いです。
例えば150φと250φであれば、平均値は200φで3倍=600となります。
しかし、使用するスリーブが塩ビ管の場合、実際に開口となるのはスリーブの外径となるため、離隔条件をスリーブ外径にて計算を求められることが多くなります。
スライドでも記載していますが、管の外径は決まっているため、150φ=165mm、250φ=267mmとなり、平均値の3倍は648mmとなります。
また図面上でギリギリの離隔を取っても現場でミリ単位での施工は現実的に困難です。
そのため施工誤差を考慮し30~50mm程度の施工誤差を考慮し検討する、またそれを原則として求められることも多いです。
塩ビ管の肉厚はサイズによって若干異なりますが、15~17mm程度のため、3倍すると約50mmとなります。施工誤差を50mmとした場合は、内径平均+100mmで検討しておけばまず問題ありません。
とはいえ納まりによってギリギリで検討しないといけない場合もあると思います。
あくまで基本条件とし、一度すべての配管とスリーブを落とし込んでから納まりが厳しい場所について、ルート変更やサイズ変更も考慮しながら検討を進めていきましょう。
3.建築スリーブとの離隔とメンテナンス



地中梁スリーブは衛生用のスリーブが最も多くなりますが、それ以外にも消火・空調・計装設備のスリーブや電気設備のスリーブなど各設備にて検討が必要になります。
そして床下がピットとなる場合、配管施工やメンテナンスのために各スパンに人が渡れるように床点検口と人通孔を配置する必要があります。
またピット内の空気を循環させるための通気口、ピット内の湧水を窯場に集めるための連通管などが建築で設置するスリーブとして必要になります。
原則的には、各設備のスリーブと建築のスリーブ、すべてが3D離隔や柱からの離隔などをクリアする必要があります。
特に人通孔は600φ程度のため、設備スリーブが200φでも1300mm近くの離隔を設ける必要があるため、ピット配管の検討時には人通孔の配置確認や移動・中止要望が必ずといっていいほど必須になります。
どうしても変更ができない場合は床点検口を追加するなどの方法もありますが、意匠的な要素も加わるため設計・建築との協議が必ず必要になります。
セオリーとしては設備が建築スリーブや点検口の変更提案を整理しながら検討を進める形となるため、必要に応じて基本条件を確認しておくことが大切になります。
特に通気管や連通管との離隔まで考慮すると全く納まらないなんて現場も少なくありません。
条件緩和ができる場合もあるので、無理やり検討し悩むのではなく、早めに設計や建築に打診してみましょう。
通気管は設備スリーブを大きくし、配管を通した際の開口部を通気兼用とみなしてスリーブ本数を減らす対応をすることもあります。
一つの手法として是非覚えておいてください。
4.止水部のスリーブ、斜め梁のスリーブ、ふかしと離隔



ピット配管、地中梁スリーブを検討する上で考える大事なポイントは数多くあります。
その中でもいくつかピックアップして紹介します。
まず、外壁部(外構に隣接)や水槽部の梁は、スリーブを最終的に穴埋めし止水処理を行う必要があります。
止水処理の方法は様々ありますが、穴埋めの際に使用する止水材によっては穴埋め代が必要な場合があるため、選定するスリーブサイズには十分留意しましょう。
例えばショーレジンを使用する場合、穴埋め代を20mm以上設ける必要があります。
納まりが悪い場合に配管径ギリギリのスリーブを選定することもありますが、止水部は止水性能が確保できなくなってしまう可能性があるため、選定するサイズを小さくし過ぎないように注意しましょう。
次に、角度が斜めの梁の場合、スリーブは梁に対して直角に設置する必要があります。
配管もスリーブに角度を合わせないと施工できないため、継手を利用し高さを変えて配管の角度を調整するか、角度変更が困難な場合はスリーブサイズを大きく選定する必要があります。
特に排水管の場合、角度を合わせるとどんどん深くなってしまい納まらなくなる可能性が高いため、スリーブサイズを大きくして他のスリーブとの離隔確認を行ったり、場合によってはルート変更の検討も必要になります。
まず斜めの梁があった場合は、排水管が納まるか最初に確認するようにしましょう。
最後に梁のふかしに関する内容です。
梁は構造体部分以外はふかしと言い、この部分についてもスリーブを設置することが可能で、かつ構造体部分の穿孔条件を考慮しなくてよい場合があります。
ふかしが大きい現場の場合は、通気管や給水管など、細くて高い位置に配管できる系統をふかし内に設けることでスリーブ検討を有利に進められる可能性があります。
ただ、ふかしとは言え好き放題開口できるわけではないので、設置条件は最初に確認しておきましょう。
構造体の上部から50mmはスリーブがかからないように設置するなど別途条件を提示されることが多いです。が、それでも納まりが厳しい場合は一つの検討手段として覚えておきましょう。
5.お知らせ
YouTubeチャンネル「建築設備の図面屋さん」では毎週月・水曜日に動画を更新しています。
現在、月曜日にCAD講座、水曜日に設備講座を発信しています。
こんな内容のものを上げて欲しいなどご意見や感想もHPやYouTubeにコメントお寄せいただければ幸いです。
⇂⇂⇂YouTubeチャンネル「建築設備の図面屋さん」はこちら⇂⇂⇂
https://www.youtube.com/channel/UCQppktUn44lnEoW3DlrE7qg

このチャンネルでは、建築設備の勉強会、設備CADの操作知識、資格試験の解説に関する動画などを公開していく予定です。
株式会社PFCは受託から現場派遣までさまざまな形で図面対応を行う設備施工図製作会社です。
図面1枚から対応いたします。ご依頼はお問合せフォームまで。
株式会社PFCで一緒に働きませんか?
正社員やフリーランスパートナー・業務委託など幅広く募集しています。
詳しくは採用情報ページまで。
↓↓↓ リクルート専用ページはこちら!! ↓↓↓