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排煙の基本|図面で迷わない!防煙口と手動開放装置の「設置基準」【2級管工事#02】

2026.04.09(Thu)

2級管工事関連初心者講座建築設備知識

排煙の基本|図面で迷わない!防煙口と手動開放装置の「設置基準」【2級管工事#02】

株式会社PFC 代表の松葉です。

現役の設備図面会社の社長が、資格の勉強だけでなく実務にも使える2級管工事の基礎講座をYouTubeチャンネル「建築設備の図面屋さん」にて毎週更新しています。

前回の「換気編」に続き、今回は機械工学の中でも非常に重要な「排煙設備」編の動画を公開しました。

このブログ記事では、動画で使用しているスライドを掲載し、実務での収まりやプロットの注意点を中心に解説していきます。試験対策だけでなく、現場で役立つ知識としてぜひご活用ください!

 

 

 

目次

1.排煙設備とは:消火ではなく「避難」のための設備

排煙設備の目的は、火災時に発生する煙を屋外へ排出することですが、最も重要なのは「避難するための安全な時間を稼ぐこと」です。

  • 避難経路の安全確保: 煙で視界が遮られるのを防ぐ。
  • 救出・消火活動の支援: 消防隊が活動しやすくする。
  • 時間の確保: 全員が逃げ切るまでの時間を稼ぐ。

消火設備が「火を消す」ものなら、排煙設備は「命を守って逃がす」ための設備だということをまず理解しましょう。方式には、窓などを使う「自然排煙」と、ファンを使う「機械排煙」があります。

 

2.防煙区画の基本ルール

排煙が必要な建物には、煙を一定の範囲に封じ込めるための「防煙区画」が設けられます。

  • 500㎡以内ごとに、不燃材料の垂れ壁(防煙壁)などで区画する。
  • 排煙口やダクト、煙に接する部分はすべて不燃材料で作成する。

スライドの写真は、天井に設置された「排煙口」と、それを動かすための「手動開放装置」です。いざという時に確実に作動するよう、堅牢な作りが求められます。

 

3.排煙口の設置(プロット)ルール

図面を描く際、最も神経を使うのが排煙口の配置です。以下のルールを厳守する必要があります。

  1. 30mルール: 区画内のどの地点からも、水平距離で30m以内に排煙口があること。
  2. 上部設置: 煙は上にたまるため、天井または壁の上部(天井面から80cm以内)に設置する。
  3. 避難方向との逆行: 避難する方向と、煙が流れる方向が反対になるように配置する。

実務のヒント:避難階段付近の注意 設計図で排煙口が「避難階段(非常口)」のすぐ近くにプロットされていることがあります。しかし、そこに設置すると煙が階段室に集まってしまい、かえって危険な場合があります。常に「利用者がどう逃げるか」という視点で配置を検討しましょう。

 

4.手動開放装置の設置高さ

緊急時に誰でも操作できるよう、開放装置の高さも細かく決まっています。

  • 壁面設置: 床面から 80cm以上 150cm以下 の高さ。
  • 天井吊り下げ: 床面から 1.8m 程度を目安に、目立つ位置へ。

壁床プロットを行う際は、他のスイッチ類や手すりとの干渉を避けつつ、この規定の高さに収まるよう注意が必要です。

 

5.排煙機(ファン)と予備電源

排煙を強力に吸い出す「排煙機」の設置にもルールがあります。

  • 設置位置: 原則として、最上階の排煙口よりも高い位置に設置します(煙をスムーズに上へ逃がすため)。
  • 予備電源: 火災でメインの電源が落ちても作動し続けるよう、非常用発電機などの予備電源を設ける必要があります。

建物によっては屋上に機器を置けない場合もあり、その際は空気を送り込んで煙を押し出す「加圧防煙」などの特殊な方式が採用されることもあります。

 

6.排煙編のまとめ

排煙設備は、換気設備以上に「消防法」や「建築基準法」といった厳しい法規制が絡んできます。

2級管工事の試験でも、数値(30m、80cmなど)を問う問題が頻出しますが、丸暗記するのではなく「なぜその数値が必要なのか(煙の性質や避難のしやすさ)」を合わせて理解すると、実務でも間違えない知識になります。

現場での試運転や検査でも、予備電源での起動確認などは非常に重要です。人命に直結する設備であることを意識して、日々の図面作成に取り組んでいきましょう!

 

 

 

 

 

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