設備施工図作成時に現場を知らないと見落としてしまいトラブル要因になる注意ポイントをご紹介します。
紹介する内容はあくまで全体の中のほんの一部分ですが、ベテランでも見落としてしまいがちな大事な内容です。
今回は空調施工図の中でも機器に関係する3つの内容をピックアップしてご紹介します。
特に未経験・若手の方は参考にして作図するとより良い施工図が描けるようになると思いますのでご活用ください。
その1 機器上部を通す配管は吊りや振れ止めに注意
天井面に設置する天カセタイプの空調機や換気扇、制気口などの機器類の上部を通す配管ダクトは
機器の吊り位置や耐震振れ止めに注意して納まりを検討する必要があります。
施工図を作成する際、機器吊りを最優先し機器の上部は避けてルーティングすることが理想的です。
納まり上どうしても機器吊りに干渉してしまう場合、吊り変え用の鋼材を考慮する必要があります。
天井内設備の施工手順は、最初に機器類を吊るところから始まります。
機器支持を鋼材でかわす必要がある場合、施工図に表現しておかないと通常位置で施工してしまい手戻りのトラブルにつながる可能性があります。
また機器上部の支持材の間に配管を通す場合、耐震振れ止めの干渉を考慮して検討する必要があります。
耐震振れ止めの考え方は設計や現場によって異なりますが、スラブから吊元まで1m以上ある場合に振れ止め材を使用することが多いです。
機器上にサイズの大きいダクトなどを通す場合は振れ止めに干渉し困難となる可能性が高いため要注意です。
吊り材や振れ止め材はCAD上で作図しない場合がほとんどなので、施工図作成時は意識しながら作図するよう心がけましょう。
その2 隠ぺい機器はフィルター引き抜きスペースに注意
空調機や全熱交換器で天井内隠ぺいダクトタイプの機器がある場合、フィルターの引き抜きスペースに注意しましょう。
まず機器のフィルターがどこにあるか、引き抜きスペースがいくつ必要か把握した上で納まりを検討する必要があります。
機器にもよりますが、一般的に機器面から600~650程度引き抜きスペースとして必要になるため、
まずは機器正面の梁などを確認し、障害物に干渉しない位置・高さに機器を配置します。
配管・ダクトを機器正面を横断させる必要がある場合も、フィルターの引き抜きスペースに注意して検討しましょう。
機器の5面図登録をする際や、配置した機器に手描きでフィルター引き抜きスペースを表記しておくと
作図時の見落としを防ぐことができ、また施工時にも注意できるためトラブルを回避できます。
その3 床置き機器は基礎サイズの選定に注意
機械室や屋上などに設置する空調機や送風機などの床置き機器は、機械基礎サイズの選定に注意しましょう。
機械基礎は建築工事の場合が多く、基礎サイズは意匠図または構造図などに記載されていますが、
設計サイズを鵜呑みにせず機器仕様図から必要基礎サイズを設備側で選定する必要があります。
基礎サイズを選定する場合、機器のアンカー位置とアンカー深さを確認します。
基礎面からアンカーまでの最低距離はアンカー深さ以上にする必要があり、一般的に100以上または150以上とする場合が多いです。
アンカー深さより狭く選定してしまうと耐震強度が確保できなくなる可能性があります。
基礎の位置、サイズは躯体への荷重やメンテナンススペースにも影響し、基本的に躯体打設段階で決定が必要になります。
機器の位置は施工図の納まりに大きく影響するため、検討段階から基礎サイズを考慮し作図することが大切です。
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