設備施工図作成時に現場を知らないと見落としてしまいトラブル要因になる注意ポイントをご紹介します。
紹介する内容はあくまで全体の中のほんの一部分ですが、ベテランでも見落としてしまいがちな大事な内容です。
今回は衛生施工図の中でも受水槽に関係する5つの内容をピックアップしてご紹介します。
特に未経験・若手の方は参考にして作図するとより良い施工図が描けるようになると思いますのでご活用ください。
目次
その1 受水槽廻りの保守スペースを確保する
受水槽廻りの保守スペースとして、受水槽の上部は1m以上、その他5面すべて0.6m以上メンテナンススペースを確保する必要があります。
「給水タンク等の設置基準(建設省告示第1597号)」
特に屋内設置の場合、梁位置や壁の仕上げ材などを考慮して受水槽の配置を決める必要があり、
確保できない場合は意匠図の変更調整が必要となるため最初に確認検討が必要になります。
受水槽下部の離隔は水槽面からの必要スペースのため、基礎が500Hでも受水槽架台が125~150で600以上となります。
その2 受水槽上部には給水管以外の配管を通してはならない
タイトルの通り、受水槽上部には給水管以外の配管を通してはいけません。
たとえば排水管を通した場合、配管から漏水が起きて受水槽内に侵入してしまうと健康を阻害してしまう恐れがあります。
排水以外にも通気管や消火配管、空調配管も通してはいけないので施工図作成の際は十分に注意する必要があります。
その3 定水位弁の型式、設置位置を確認する
定水位弁には「ストレートタイプ」と「アングルタイプ」の2種類があります。
ストレートタイプは床上高さ、アングルタイプは水槽上高さに設置となるため、
メンテナンス・納まりにより仕様が異なるため注意しましょう。
特にストレートタイプ設置の場合、水槽高さが定水位弁の二次側配管が2m以上ある場合、ハンマー防止のため
バキュームブレーカーを付ける必要がある場合もあるため注意が必要です。
その4 受水槽のタッピング取付位置に注意
給水のタッピングの位置で、入水位置と出水位置は対角になるように配置する必要があります。
水槽全体を見たときに入水と出水で偏りがあると、部分的に水が流動せず死に水になる可能性があります。
入水位置はマンホールの配置、タラップの位置にも影響するため、最初に全体の配管納まりをみて位置を決めることが大切です。
その5 吐水口空間・排水口空間を確保する
受水槽へ入水する給水口とオーバーフロー管の間には『吐水口空間』を確保する必要があります。
吐水口空間の必要寸法は各自治体により基準が異なることがあるため、現場毎に確認しましょう。
オーバーフロー高さは水槽の水位、電極高さの関係など設計基準を確認する必要がありますが、
吐水口空間は給水接続位置と水槽壁面の距離、配管径に応じて大きくなる場合があるため、接続位置を考慮する必要があります。
水槽からのオーバーフロー管、水抜き管と排水管の間には『吐水口空間』を設ける必要があります。
排水口空間は排水管直径の2倍以上かつ150以上が必要となります。
特に排水管が受水槽室内で転がし展開する必要がある場合、水槽高さの納まりに影響が出る可能性があるため注意が必要です。
配管のホッパー接続では納まりが厳しい場合は、排水桝を利用するなどで排水口空間を低い位置で確保することも可能です。
オーバーフロー管は受水槽の給水管呼び径の2サイズUP必要となるため、給水管サイズを変更する場合も要注意です。
ちなみに水抜き管とオーバーフロー管を接続してはいけません。
水抜き管にはバルブを設置しますが、水槽からバルブまでの間は満水状態となり水槽内の荷重がかかるため、
バルブ前までは給水管の管種、バルブ以降を排水管の管種となるため図面上の表記を間違い無いよう注意しましょう。
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