設備施工図作成時に現場を知らないと見落としてしまいトラブル要因になる注意ポイントをご紹介します。
紹介する内容はあくまで全体の中のほんの一部分ですが、ベテランでも見落としてしまいがちな大事な内容です。
今回は衛生施工図の中でもポンプに関係する2つの内容をピックアップしてご紹介します。
特に未経験・若手の方は参考にして作図するとより良い施工図が描けるようになると思いますのでご活用ください。
その1 ポンプ吐出側のバルブ設置手順と選定サイズ
ポンプの吐出側配管には防振継手・仕切り弁(またはバタ弁)・チャッキバルブを取付します。
このとき、各役物の取り付け順序に注意しましょう。
機器側からフレキ→逆止弁→仕切弁の順が正しい設置手順になります。
ゴミがかんだ時など修理時に逆止弁を取り外す際に、仕切弁で立上り管内の水を止められるようにする必要があります。
またポンプの接続口径=配管口径ではありません。
ポンプ側の接続口径が小さい場合が多いため、口径が異なる場合はレジューサーの設置が必要になります。
レジューサーは機器吐出側すぐに設置し、バルブサイズは必要配管口径に合わせるようにしましょう。
その2 ポンプより低い位置にある水槽からの吸い込み側配管について
地下に雑用水槽などの水槽があり、上階に設置するポンプでくみ上げる=吸上げの場合は、吸い込み側配管の施工方法に注意しましょう。
複数のポンプが連結になっている場合、吸い込み側配管はポンプ毎に単独配管とする必要があります。
ポンプ側の施工要領にも記載されていますが、ポンプが1台運転中に停止ポンプの吸込部が負圧になり、
空気を吸い込んでしまうことでエアだまりなどの故障の要因になる可能が高いため、必ず単独施工とする必要があります。
また、エアだまりができる要因として配管の施工にいくつか注意点があります。
・レジューサーを設ける場合、レジューサーは偏芯形状としエアがポンプ側に流れるようにする
・バルブを設置しない
・配管はポンプに向かって上がり勾配とする
エアだまりが生じると、ポンプにエラーが生じ続けてしまい、配管を直さない限り要因が解決しない場合があります。
レジューサーや上がり勾配は平面図上だけでは表現が難しいため、詳細図を作図するかコメントを記入しておくだけでも親切です。
設計図で吸い込み側の配管が統合されていたり、バルブが作図されている場合があります。
ポンプの施工要領書に配管のNG例のページがありますので、必ず確認し現場で協議をし正しい施工をしましょう。
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