YouTubeチャンネルにて『勉強会動画⑥』をアップロードしました。
今回は「給排水衛生設備」の給水・排水通気編として、それぞれの設備施工図作図の際に注意する基本ルールやポイントを紹介します。
動画内で説明している内容の補足をスライド毎に簡易的に解説します。
内容は業界経験2年~5年生あたりが対象となります。
給排水衛生設備
1.給水設備


給水配管のいろはのい!
天井内の配管を水平にすることは理想ではありますが、天井内の納まりによっては限界もあります。
何を優先するかはその場所場所で変わります。
ただ、基本ルールを把握した上で最善を尽くし、怪しいなと思ったら施工者の中で協議する姿勢が大切です。



バルブの変更採用は施工者や施主によっても判断が分かれます。
メンテナンスも大切ですが、安全性を考慮してボールバルブを使用禁止にしている会社もあります。
50A以下であれば軽くぶつかっただけで開閉が変わってしまうことも。
管理が難しい場所やリスクが高い系統は使用しないなど、管理面を考慮して検討しましょう。
2.排水通気設備

屋内分流方式は最近ではほとんど採用されていない印象があります。
特に昔は役所の物件で多く採用されていましたが、理由が排水処理設備の問題のため、処理施設の考え方が変わってきたことから分流にするメリットが低くなっているようです。
ただ屋内合流でも雨水と排水は合流してはいけないので要注意です。
雨水は屋外合流方式の時のみ、外構配管のみ雨水と汚水を同一系統にて施工します。

分流にした際の通気の取り方ですが、これもマストではありません。
あくまで詰まった時のリスク回避のためなので、納まりが厳しい場合はピット内横引きで通気を合流することもあります。

汚水配管の継手をどの方針で作図するか、これはなるべく作図前に確認するようにしましょう。
共通の修正事項になる他、トイレなどは配管が密集していて45Y+45Lを使用すると納まりがとたんに厳しくなるケースもあります。
また継手の量が増えて施工コストが上がるため、小規模の現場では採用されないことも多いです。
良かれと思った検討もマイナスに働いては無駄骨です。
作図者は確認すること、施工者は最初にルールを決めて統一管理することが大切です。

排水の最下階系統合流NGは排水の基本ルールですが、意外と守られていない設計図もあります。
基本的には分けるのがセオリーのため、まずは設計意図と方針を確認することが大切です。
特にピット内配管の系統が増えると当然地中梁スリーブにも影響が出ます。
基礎を打設した後に変更になっては取り返しがつきません。
最初にチェックし確実に施工に反映するようにしましょう。


通気管は少し苦手意識がある方も多いのではないでしょうか。
意外とわかりづらい通気ですが、基本ルールを抑えれば大したルールはありません。
立管通気・ループ通気・伸頂通気が設計時にルール通りに計画されているか。
計画漏れの設計図もたまに見かけます。
基本的には必要になる設備のため、設計図のままで問題ないのかを初期に確認しましょう。
特に通気はピット、天井内の納まりにかなり影響が大きいため、見落としてしまうと大変です。

排水槽の通気は単独開放厳守です。
ピット内検討時には意識していても、地上で立管に上げているうちに系統がわからなくなり、途中で合流させてしまったり、施工時に一般通気立管と取り違えて施工してしまったり・・・。
作図・施工時のミスを防ぐためにも、一般通気とペイントや表記を変えて管理するようにしましょう。


排水管は上から接続すると、管内で汚物が跳ねたりうまく流れない可能性があります。
排水はスムーズに流れるように意識して作図すること。
通気は横向きに取り出すと排水が流れこんだり汚物が詰まる危険性があります。
通気は45度以上で情報に取り出すこと。
基本ルールですのでしっかり意識して作図に反映しましょう。

通気管は内部で結露水が発生する可能性があります。
結露水の逃げ道がない「逆鳥居配管」を作ってしまうと、将来的に通気障害になる可能性があります。
結露水だけで配管自体をふさぐリスクは低いですが、溜まった水が配管を腐食させて穴が開いてしまうリスクなどもあります。
通気は開放までは上がり勾配に。その上で梁スリーブや外壁の納まりを検討する。
どうしても納まらない場合もありますが、その時は設備優先で天井高さを変更したり、配管の立ち上げルートを変更するなどの提案を行いましょう。
設備屋としてはまずは設備の品質管理が最優先です。
特に通気管は設備の中でも納まり検討の最優先になる系統のため、しっかりとルールを遵守して施工図作成を行う必要があります。

排水竪管は極力上下階を同じ位置で通すように計画します。
しかし昨今の設計図ではPSがずれていたり梁上にあって立管がずれてしまったり・・・
オフセットになる場合もやむなしですが、ずらす際に45度で納まるようにすれば一つの立管としてみなすことができます。
逆に90度や一度横引き配管にしてしまうと、配管径の計算が横主管に変わってしまいます。
同じ排水量でも横主管の方が立管よりも径を大きくする必要があり、計算をし直す必要があり、また管の頂部には逃がし通気を設ける必要があるため、通気管の納まりにも影響が生じてしまいます。
これも設計図で計画されていない場合があるため、早めに納まりを確認し整理しましょう。
動画の内容とはまた違った側面で記事を書いていますので、動画と合わせてご確認いただければと思います。
次回動画は「*******」を2025年10月22日(水)更新予定です。
この度、YouTubeにて「建築設備の図面屋さん」チャンネルを新規開設いたしました。
https://www.youtube.com/channel/UCQppktUn44lnEoW3DlrE7qg

このチャンネルでは、建築設備の勉強会、設備CADの操作知識、資格試験の解説に関する動画などを公開していく予定です。
株式会社PFCは受託から現場派遣までさまざまな形で図面対応を行う設備施工図製作会社です。
図面1枚から対応いたします。ご依頼はお問合せフォームまで。
株式会社PFCで一緒に働きませんか?
正社員やフリーランスパートナー・業務委託など幅広く募集しています。
詳しくは採用情報ページまで。
↓↓↓ リクルート専用ページはこちら!! ↓↓↓