YouTubeチャンネルにて『設備講座動画#14』をアップロードしました。
今回は「防火区画と設備」に関連する配管やダクトの区画貫通箇所の施工検討ポイントを中心に紹介をしていきます。
建築・設備工事は建物の用途によって特徴的な設備や考え方があるため、施工に携わる機会があれば一つのポイントとして確認してみてください。
動画内で説明している内容の補足をスライド毎に簡易的に解説します。
内容は業界経験2年~5年生あたりが対象となります。
↓↓↓防火区画①の記事はこちら!↓↓↓
目次
1.防火区画と建築確認申請




建物の防火区画は「建築基準法」により決定します。
適切に計画されているかを確認するために、建築確認機関に提出をする図面のことを「建築確認申請図」と言い、区画の正式な位置や範囲が決まります。
防火区画と同じく、114条区画と呼ばれる「防火上主要な間仕切り」についても同様に決まり、その区画壁を配管やダクトが貫通する場合は、必ず区画貫通処理を行う必要があります。
意匠設計図や設備設計図には必ず防火区画の位置などが明記されていますが、まず意匠図と設備図で区画の整合がとれていないことがあります。
これは設備設計を行う際に同時に建築図も進めるため、初期の古い情報がそのまま残ってしまうケースが多いです。
同じく確認申請も平面図作成と同時に進めることがあり、確認申請で変更になった区画が意匠図に反映されていない場合もあるため、区画位置については必ず確認申請図面にて把握し反映するように心がけましょう。
確認申請は設計者が行うため、施工者は設計者から初期に資料を受領することが必要です。
もちろん施工検討の途中でレイアウトが変わることもあり、建築確認申請を出し直しすることもあります。そこで区画の考え方が変わる場合もあるので、都度最新情報を建築・設備ともに共有して検討を進めることが大切です。
2.耐火性能のある配管と配管耐火材




防火区画を貫通する配管は耐火性能が必要になります。
白ガス管などの鋼管であれば耐火性能を有しているため、配管自体は問題ありませんが、貫通部の壁開口を行った隙間などは耐火処理を施す必要があります。
鋼管の他にも耐火VPや耐火二層管など耐火性能を有した塩ビ製パイプもありますが、一般的なVP管やエスロハイパー、ACドレン配管、冷媒管(銅管)といった配管を貫通させる場合は、配管そのものに耐火性能がないため専用の耐火処理材を使用する必要があります。
区画処理材は配管に巻き付けるタイプのものが主流で、熱により膨張することで配管が燃え落ちると同時に貫通部の穴をふさいでくれます。
区画貫通材は施工図面上に表現しないことが多いためあまりイメージしませんが、冷媒管の耐火キャップなどを利用する場合は外形がそこそこ大きいため、配管同士の離隔や壁・梁からの離隔の考慮が必要な場合もあります。
3.ダクトの防火区画貫通



ダクトは防火ダンパー(FD)を使用します。
FDのシャッターは温度ヒューズで固定されており、熱でヒューズが溶けることで自動で遮断します。
温度ヒューズは72度・120度・280度の3種類があり、一般系統は72度を使用します。
特に注意が必要な点として、厨房系統や火気使用するミニキッチンなどの系統は120度のFDを使用する必要があります。
72度ではお湯を沸かしたり調理時の熱でヒューズが溶けてしまう可能性があるため、ダンパー発注時には十分気を付けましょう。
施工図にも120度の箇所だけでも明記しておくようにすると親切です。
防火区画貫通を行う際は、貫通部のダクトは1.6tで行い、FDは単独で吊りが必要になります。
特に水平区画で縦ダクトのFDを忘れないよう注意しましょう。
「DSが狭くダクトは納まるがFDがメンテできない」なんてこともあるあるです。
必ずFDを明記し、メンテスペースや手が入るかを確認して作図検討するようにしましょう。
4.延焼ラインと区画貫通のルール

2.施工


隣接する建物との隣地境界線や道路境界線から延焼のおそれのある部分を延焼ラインと呼びます。
境界線から1階部分は3m以内、2階以上は5m以内に外壁が干渉している箇所は、火事の際に外部からまたは内部の炎が燃え広がらないように区画対策が必要になります。
通常の防火区画と同様の処理で問題ありませんが、外壁については100φ以下のダクトはFDは必要ありません。
また、外壁のダクトはガラリやベントキャップで納めることがほとんどですが、FD付のベントキャップもあるためうまく使用検討しましょう。
注意点としてはFD付ベントキャップは外部側からしかメンテナンスができないため、1階部分か2階以上でバルコニーなどから点検できる場合にのみ採用するようにしましょう。
特に外壁ダクトは設計時からルート変更やサイズ変更が生じる可能性が高いため、延焼ラインとFDの必要有無は都度必ずチェックするようにしましょう。
5.防火区画の建築材と設備の納まり


建築関連で特に納まりに影響が生じるのが「防火シャッター」です。
防火シャッターは天井内にシャッターを巻き取るための装置があり、これが天井内の設備配管やダクトと干渉してしまうトラブルが多く生じます。
設計時にはルートが考慮されていない場合も多いため、まずは意匠図でシャッターがある場所を明確にし配管ダクトのルート変更が必要ないか、可能かを確認し協議するようにしましょう。
また厨房や機械室などの防火区画壁では、当然扉も防火仕様となります。
設備的に影響があるとしたら換気のパスをドアガラリや壁ガラリで計画している場合。
そのガラリもFDを設ける必要が生じるため、基本的にはパスが必要な場合は天井ダクトパスにて計画しましょう。
6.不燃材・区画処理材と認定証の確認


最後に、区画処理材には必ず「認定証」が存在します。
建築基準法による「大臣認定」と消防法による「消防認定」の2種類があり、概ねそこまで内容に相違はありませんが、ベースとなる法律がそもそも違うため認定内容が細かく異なります。
また区画処理として認定された工法で施工する必要があるため、施工要領の部分は必ず確認するようにしましょう。
これはメーカーの材料毎に認定内容が異なります。
例えば耐火二層管を使用した場合に竪管から1m範囲の横枝管を同じく耐火二層管で施工する必要がありますが、これもどこから1mなのか、どこまでを耐火二層管で施工する必要があるかが、それぞれの商品の認定証に明記されています。
認定外の工法になってしまうと検査指摘を受けてしまう可能性もあるため、判断が難しい場合は事前に確認して議事に残しておきましょう。
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次回動画は「設備講座#15 外構設備③ 施工編1」を2025年12月24日(水)更新予定ですので、ご興味ある方は過去動画と合わせて是非ご視聴ください
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