YouTubeチャンネルにて『勉強会動画⑧』をアップロードしました。
今回は「外構設備」の基本編-様々な設備-として、前回の配管・桝や施工基準に続き、外構図特有な設備の特徴と給排水衛生設備に関連するポイントなどを中心に紹介します。
動画内で説明している内容の補足をスライド毎に簡易的に解説します。
内容は業界経験2年~5年生あたりが対象となります。
目次
外構設備における様々な設備
1.給水設備 量水器・散水栓・バルブボックス



まずは給水設備から。
給水管は敷地外の給水本管から配管引き込みを行い、公設メーターとなる量水器を設置します。
配管の引き込み径は設計計算にて選定しますが、建物の仕様変更などにより管サイズの見直しが生じることもあります。
この量水器のサイズは管径サイズに比例して外形が大きくなりますが、65A以上となるとボックスも1m近くになり設置場所の条件によっては納まりに大きく影響する場合があります。
設計図ではサイズが不明確なためプロット図でシンボル表記としてしまうこともありますが、実寸サイズを確認して施工図に反映するように心がけましょう。
外構には散水栓を設置しますが、設置する場所や箇所数は建物施設や設置目的により大きくことなります。
散水栓には単独でバルブを設置することが多いですが、プロットではシンボル表記で片づけてしまうと、このバルブと散水栓の形状を把握せずに意匠的な面でトラブルにつながる可能性もあるため、
設置箇所と仕上げをイメージして施工図・プロット図に反映するよう心掛けましょう。
2.消火設備 バルブユニット・送水口・防火水槽



次に消火設備についてです。
外構配管で消火設備が出てくるのは主に連結送水・連結散水がある場合になります。
高層建物の場合、消火活動のために3階以上に連結送水口ボックスを設置し、そのボックスまで給水を送るために屋外に送水口を設置します。
送水口は消防車・ポンプ車が停められる場所に配置しないといけないため、消防協議を行った上で決めた場所に必ず配置する必要があります。
外構配管が納まらない、意匠的に設置したくない場合に、変更できる可能性はありますが勝手に判断ができないため必ず変更図面にて協議し承諾確認を行いましょう。
また、送水口を使用した際に圧力を抜くために管内の圧抜きを行うためのバルブを配置します。
敷地が広い場合、外構の埋設配管の道中にこのバルブを配置することがあるため、点検用のバルブボックスを埋設します。
既製品もありますが、配管径によってサイズも大きくなるため、こちらも必ず外形サイズを確認してプロットし納まり確認することが大切です。
大型施設や公共施設の場合、消火活動のために防火水槽を設置することがあります。
建築工事となるため施工に影響はあまり出ませんが、排水管やその他配管ルートに影響を及ぼす可能性もあるため、サイズや配置は初期段階でよく確認しておきましょう。
3.ガス設備 ガスメーターと設置ルール

ガス設備については、都市ガスの場合は給水同様本管から引き込みを行います。
ガスメーターについてもガスの使用容量によって選定されますが、建物によってサイズがかなり大きくなり、露出で見えてくるもののため意匠的な確認も重要になります。
プロット図に外形をしっかりと作図しつつ、意匠設計にしっかり確認承諾を取りましょう。
ガスメーターは給水メーターとは異なり、親子メーターの設置が基本的にNGとなります。
建物全体の本メーターのほかに、例えば厨房系統を単独で設置したい場合は、一次配管からそれぞれ分岐し独立してメーターを設置する必要があります。
メーターの配置や配管ルートによっては配管長に大きく影響する可能性もあるため、施工図作成時にはこのルールは把握した上で検討するようにしましょう。
4.排水設備 排水中継槽・グリーストラップ・浄化槽



続いて排水設備です。
排水配管は勾配が必要になるため、本管への納まり検討を含め外構配管の肝となります。
基本的には建物から勾配を設けて本管に接続できるように検討しますが、本管の深さがもともと浅かったり、外構が広く障害物があるなどで勾配が納まりきらない場合があります。
その際に、排水の中間に排水中継槽を設置しポンプアップにより配管レベルを上げて本管に接続する方法を取る場合があります。
設計図で検討されていることが多いですが、勾配が地方自治体のルールにより設計より厳しくなり途中から追加検討する場合もあります。
当然、設備も大がかりでポンプの電源も必要になるため、設計追加が必要となる場合は早めに確認し予算増減にも反映することが必要になります。
また気を付ける点として、排水槽のため通気が必要になります。
特に排水槽の通気は単独で開放する必要があるため、建物によっては土間配管で建物まで展開し、PSから屋上まで立ち上げる必要がある場合があります。
当然地中梁スリーブにも影響するため、早めに納まり検討に反映する必要があります。
勾配が厳しいから気軽に中継槽を追加するとこの通気の処理を失念しがちなので気を付けましょう。
5.雨水設備 雨水貯留槽

雨水配管は排水配管と同様に勾配を設けて施工しますが、排水配管ほどルールが厳しくない場合もあります。
また、雨水については工事区分が建築工事となる場合もあるため、検討前にしっかり確認しましょう。
仮に建築工事の場合でも排水管と交差し干渉する場合は調整が必要となるため、より早期検討が大切になります。
雨水分流か合流化は地域により異なりますが、雨水本管が小さく宅地からの排水量を制限する地域もあります。
その場合、建物内や屋外に雨水貯留槽を設置し、一次的に雨水を溜めて流水量を制限したり、または水槽から浸透処理するパターンもあります。
あまり頻度の多くない設備ではありますが、屋外設置の場合は設備工事となることも多く、納まりにもかなり影響するため必要な場合は早期検討が大切です。
6.特殊設備 オイルタンク・潅水設備・井戸設備



その他に建物によっては様々な特殊な設備があります。
電気工事で発電設備がある場合に、燃料を溜めるためのオイルタンクを外構に設置する場合があります。特に大型の建物や公共施設に採用されます。
直接的に設備工事に影響することは少ないですが、オイルタンクから発電設備までの油配管を施工する際に、外構を通る場合に配管ピットを施工することがあります。
その場合に排水設備を設ける場合があるため、気にしておきましょう。
潅水設備についても建築工事となる場合が比較的多いですが、給水を伴うため必ず設備工事との取り合いが生じます。
特に植栽廻りは躯体で囲む納まりとなる場合もあるため、スリーブ検討や防水処理を考慮して検討することが必要になります。
こういった他設備との取り合いが必要な場合に、納まりについても他設備の仕様に合わせて調整する必要があるため、特に排水が関連する場合は早めに高さ条件など確認することが大切です。
また地域・施設によっては井戸工事を行うこともあります。
井戸水の使用用途も計画によって様々ですが、普段使用する水として計画する際は衛生設備との取り合いが生じるため、区分について明確に確認しておくことが大切です。
7.お知らせ
動画の内容とはまた違った側面で記事を書いていますので、動画と合わせてご確認いただければと思います。
次回動画は「マンション編①」を2025年11月5日(水)更新予定です。
この度、YouTubeにて「建築設備の図面屋さん」チャンネルを新規開設いたしました。
https://www.youtube.com/channel/UCQppktUn44lnEoW3DlrE7qg

このチャンネルでは、建築設備の勉強会、設備CADの操作知識、資格試験の解説に関する動画などを公開していく予定です。
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