TFAS初心者向け講座・第2弾。今回は『制気口の作図』を紹介します。
空調設備でプロット図作成や施工図を作成する最初のステップとして、制気口の作図を教わることが多いと思いますが、
制気口と聞いても新入社員や設備初心者にとってイメージしづらい印象があります。
制気口がどんなものなのか、作図説明と合わせて紹介します。
目次
そもそも制気口って何?
そもそも制気口とは「室内に空気を取り入れる吹出口、外に吐き出すための吸込口を総じて制気口」といいます。
空調・換気設備などの用途も異なれば、形状なども様々です。
天井や壁面には制気口しか見えていませんが、実際には制気口BOXがありダクトをBOXに接続します。
制気口の一般的な形状を紹介します。他にも様々なタイプがありますが、主要なものは以下の3種類です。
グリル・スリット型制気口(HS・VHSなど)
一番一般的な制気口。Hが横、Vが縦、Sがシャッター。主にHSは吸込口、VHSは吹出口に使用します。
アネモ型吹出口(アネモC2・アネモE2)
コーン状の制気口。吹き出し温度差を取ることができるため事務室などの空調用によく使われます。
ライン型制気口(ラインCL・ラインBL)
廊下などの壁に沿って設置されてることが多いライン状の制気口。主に吸込口にCL(カームライン)、吹出口にBL(ブリーズライン)を使います。
CAD上では作図するとあまり違いがわかりません。
サイズは長さとライン数で決まります。ラインはCLが数字、BLはS(シングル)D(ダブル)T(トリプル)・・・といった違いがあります。
ただメーカーによってCL・BLの呼び名やライン数の数字などが若干異なるため、必要に応じてカタログ情報を確認しながら作図しましょう。
施工図の制気口作図方法
制気口の作図は空調モードで『空調→制気口→配置』にて制気口配置ウィンドウを開きます。
左側に制気口の種類やサイズを入力、右側にBOXのサイズを入力します。
基本的に設計図の制気口リストの情報をそのまま入力すれば問題ありませんが、下記に注意しましょう。
・制気口下端は部屋の天井高さを確認し入力(直天の場合、仮想天井高さを確認しましょう)
・消音の項目に〇など表記ある場合は、BOXの種類を消音ボックス付にする
・BOX下端は天井高さ+ネックサイズを入力(制気口リストに記載されてることはほとんどありません)
※一般的にネックは100~150程度。私は指定なければ150を標準値として作図します。現場毎に方針を確認しましょう。
「風量計算」の部分は入力しなくても問題ありません。風量は色々変更になることも多いので現場として必要な場合を除き空欄でいいと思います。
プロット図での制気口作図
施工図ではBOX情報まで入力しますが、例えば天井プロット図などではBOXは天井内に隠ぺいされる部分のため入力しないことが多いです。
線分などで作図する場合は問題ありませんが、もし先にBOXまで入力してから指摘を受けた場合は、制気口をすべて一括選択し『空調→制気口→変更』でBOXを「設定なし」に変更しましょう。
いっぺんにBOXを消すことができます。
ただしBOXを戻す場合は標準値の大きさに限定されてしまうため、施工図としてのデータは別で残しておくようにしましょう。
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