TFAS初心者向け講座・第6弾。今回は機器の5面図登録を紹介します。
TFASには標準で空調・衛生さまざまな機器の3Dデータが登録されています。
標準搭載以外の機器を断面図や3D図面にしたい場合は、5面図登録にてオリジナルの機器を3D登録することが可能です。
それらの登録方法、手順と注意ポイントを紹介したいと思います。
他にもダイテックが公式に主要メーカーの3D登録データを公開しており、登録されているデータであれば簡単にTFASに追加登録することが可能です。
そちらの方法は別途記事にて紹介させて頂きます。
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目次
機器の5面図登録
メーカーから納入仕様書で平面図・正面図・側面図などの載っているCADデータを入手しましょう。
多くのメーカーは、公式ホームページに業者専用特設ページを設けており、型式検索からCADデータのダウンロードが可能です。
基本的にDWGやDXFなどの単線図データのため、これを断面切り替えできる3Dデータに登録していきます。
今回はダイテック公式データに標準登録もされている、ダイキンのビル用マルチ、天井カセット4方向機器の登録を行います。
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STEP1.情報登録
『空調/衛生→機器登録→5面図登録→登録用図面作成』にて登録作業を行うことができます。
機器登録を行うにあたって、まず2つの情報登録作業を行います。
まず①の「部品コード・商品名称・呼出しコード」ですが、特に入力する内容のルールはありません。
「部品名称」は機器配置時にリスト表示される際の名称で、「呼出しコード」は選択時画面下に表示されます。
メーカー登録機器の場合、「部品名称」には機器の細かい名称、「呼出しコード」は型式が登録されています。
「検索機能」の対象にもできます。
特に書き方がわからない場合は「商品名称」「呼出しコード」ともに”型式番号”を入れておくのが無難です。
気を付けたいのが、現場・図面毎に決められている「機器番号」のみを登録すると、登録した機器の情報がわからなくなること、仕様変更時に新旧情報が不明確になる恐れがあるので注意しましょう。
もし機器番号を入れたい場合は、「部品名称」を”現場名-機器番号-登録日”にし、「呼出しコード」を”型式”にするなど工夫してみましょう。
また、「部品コード」はTFAS上のデータ管理番号のようなもので、同じ番号のものを2つ以上登録することができず、登録した場合上書きされてしまいます。
「部品コード」を細かく管理したい場合は、”登録日ー番号(その日の登録01~連番)”などにすると重複することがありません。
ただ、正直細かく管理するほどでもないので、私は3つともすべて型式で登録しています。
次に②から「データの保存先」と「ストック名称」「分類名称」を選択します。
まずは「ストック名称」で登録したいリストを選択します。新しく作成する場合は「新規」を選びます。
ストック名称の登録と、データの保存先の選択を行います。
「ストック名称」は機器配置の際に出てくるドロップリストです。
「ストック名称」は”メーカー名”または”現場毎”で登録すると管理しやすいです。
私は「現場名」で登録しています。ふと古いデータを使いたいときに思い出すのはだいたい”どの現場で作図したか”が多いので。
保存先は特にこだわりなけでばそのままでOKしましょう。
「分類名称」はかなり細かく設定が可能ですが、新規にストック名称を作成すれば表示されるのは自分が登録したデータのみですので、
大項目だけ選択すれば十分です。わかる範囲で選択しましょう。
①②以外の機能はまず初心者は気にしないでOKです。登録した情報もあとで変更が可能です。
準備できたら、最初の画面でOKを押して5面図登録作業に移ります。
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STEP2.機器データのコピペ作業
5面図作成画面は下写真のように実際は下面も入れた6面のサイコロ展開図のような画面になっています。
このマス毎の配置に従って、まずは各図面を中心線に合わせて配置していきましょう。
メーカーによっては、6面が番号で管理されていたり、ダウンロードする際にわかるようにバラバラのデータになっていたりします。
または1枚の納入仕様書に平面・正面・右(左)側面の3つの絵だけ描かれている場合もあります。
特に6面すべて埋めなくても登録は可能ですので、該当するデータのみ配置してみましょう。
そして、「平面」の位置が上になるようにそれぞれの面の登録データの向きを確認し変更しましょう。
サイコロを展開した状態と同じイメージで向きを揃えます。中心線がレベル=0のラインになります。
これが意外と展開イメージが苦手な人は理解に苦しむと思いますが、向きを間違えてしまうと展開データが正しく表示されないため十分注意しましょう。
あとは、必要のない情報を削除するかシート移動しておきましょう。
注意点として、5面図登録されるのは「ベースシート」のデータのみになります。別名シートにあるデータは登録対象外のため要注意です。
ここでワンポイント!
文字情報や寸法などを登録してしまうと、施工図に表現した際に非常にわかりづらくなってしまうため、極力不要な情報は省くのが賢明です。
ただ、型式番号や接続口のサイズ・系統などは登録されていると施工図データを見たときに非常にわかりやすくなる側面もあります。
もし情報を入れても、文字の属性を「補助図形」にすることで印刷対象から除外した状態で登録することも可能です。
型式や接続系統、また支持位置やフィルタの引き抜きスペース・メンテスペースなどを補助図形で登録しておくと、施工図を描く際に非常に便利なので試してみてください。
登録図を配置した後に補助図形の情報を表示したい場合、機器を選択して属性変更で「通常図形」に変更すれば、補助図形の部分も印刷対象に変更することが可能です。
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STEP3.情報の付加
これはほぼ使わない機能なので読み飛ばして構いませんが、こんなこともできるというのを簡単に紹介しておきます。
TFASに登録されている機器は、配管やダクトを接続点にもっていくと自動で接続してくれます。
ルート移動などを行えば一緒についてくるので非常に便利な機能です。
自分で5面図登録を行った機器にも同じように配管などの接続情報を付け加えることができます。
『空調/衛生→機器登録→5面図登録→接続口付加』 を選択し、接続点にカーソルを合わせクリックします。
矢印が出てくるので、接続方向の向きに合わせてクリックし決定します。
「接続口属性」が表示されるので、そこで部材やサイズ・レベルなどを登録することが可能です。
結構簡単に登録できるので試してみてください。
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STEP4.機器を登録/データを保存する
ここまで完了したらあとはデータを登録するだけです。
『空調/衛生→機器登録→5面図登録→登録』でデータを登録することができます。
ここで「いいえ」を選択すれば、最初の情報登録画面に戻るので、登録情報の修正も可能です。
また同一コードが登録されている場合、上書きするか確認が出ます。
登録したデータは機器のライブラリの中に出てきて、断面図や3D表示することができるようになります。
3Dはデータがある範囲が四角く表示されるので、一部でっぱりや中心線などがあると立体に干渉対象になってしまうので要注意です。
ここで最大の注意ポイント。
登録したデータはPC内に残りますが、あくまで「登録データのみ」しか蓄積されず、編集していた5面図のデータは保存されていません。
作成した5面図データ自体は必ず名前を付けて保存しておきましょう。
もし登録のミスや追記修正したい場合は、保存した5面図データを修正し再登録することで修正が可能になります。
データを残しておけば、他の人が別のパソコンに再登録することも可能です。
登録したからといって安心して作成データを閉じてしまわないように十分注意しましょう。
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