TFAS初心者向け講座・第3弾。今回は建築図面の読み込み方、出力の仕方の基本ポイントを紹介します。
当ブログでの検索ワードでかなり多いのが「tfas DWG・変換」に関する内容で、 一番閲覧頂いている記事もDWG・PDFへの出力方法の紹介記事になります。
今回は「TFASを使えないけど開いたり変換くらいはできるようにならないと」という方に向けて、
建築図をTFASに取り込む方法、そしてTFASからdwgなどに出力する方法を基本的な操作と各注意点を中心に紹介したいと思います。
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目次
1.TFASに建築図(DWG/JWW等)データを取り込む
まずはTFASに建築図データを取り込む方法です。
建築や設計事務所などはJW-CADまたはAuto-CADを使っている場合がほとんどです。
JW-CADの場合は「JWW」、Auto-CADの場合は「DWG」または「DXF」データに変換することで、それぞれのCADでデータを読み取ることができます。
TFASの場合、それらのデータを読み込むことも出力することもできます。
ただ建築図データをダブルクリックで開こうとすると、うまくTFASが起動しない場合があります。
その場合はTAFSを起動した状態でDWGファイルをTFAS画面にドラック&ドロップしましょう。
TFASで別CADのデータを開く場合、下記のウィンドウが起動します。
注意ポイント
まず、『配置レイヤ』は「基本」に選択します。
「建築」や「空調」などにすると、TFASで作成するレイヤと重複したり、レイヤでのデータ整理が困難になる可能性があります。
もう一点、元データで3Dデータを作成している場合は『3D図形を読込む』をチェックします。
こちらは建築データを2次元的に確認するだけであれば無視して構いません。
他の項目は分からない場合は特にチェック入れずにそのまま開いても支障はありません。
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データが全部表示されないとき
建築図データを開くと、データが表示範囲外にあって見れない場合があります。
広範囲になっていて図形がどこにあるかわからない場合は、『表示→全図形表示』で図形のある範囲を表示できます。
また表示範囲の外側に図形がある場合は、『ファイル→用紙サイズ・縮尺設定』を開き、表示範囲を広く変更してみてください。
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縮尺がおかしいとき
建築図面を開いた際に、縮尺がおかしい場合があります。
図面を開く際のウィンドウでも縮尺設定を指定できますが、開いてから変更する場合は『ファイル→用紙サイズ・縮尺設定』で縮尺を指定しましょう。
その際に寸法線や文字が拡大されたり縮小されることがあります。
その時は、建築図面をシートで全選択し、『基本図形→文字→一括変更』を開き、「詳細」→「文字縮尺基準」を「実寸」に変更しましょう。
これで図面の縮尺を変更しても、文字サイズも追従してサイズ変換されます。
※建築図の作成状況によりうまくいかない場合もあるかもしれません。一つの手段として試してみてください。
図形の寸法と測った寸法が合わない
設計図や建築製作図などでたまにあるのですが、描いてあるデータの寸法と実際に測った寸法の縮尺が合わない場合があります。
この場合、解決方は状況により変わってくるのですが、単純にデータが小さい場合は全選択して拡大縮小してしまった方が早い場合があります。
DWGを開く際の縮尺設定などを変更してもうまくいかない場合は、寸法線で測ってみて電卓で計算して大きさそのものを変更してしまいましょう。
縮尺を合わせる方法は色々手段がありますが、二次元のデータは拡大縮小で対応しても全く問題ありません。
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未解決リンク一覧・外部リンクの編集
設計図データを開く際によく表示されるのが「未解決リンク一覧」の表示。
図枠や平面図データを外部リンク機能を使って、開いた際に自動的に読み取る機能があります。
Auto CADではよく設定されていて、TFASでも少し面倒ですが同じ設定も可能です。
ただその外部リンク先のファイルがファイル移動や図面名変更などで読み取れない場合に上のダイアログが表示されます。
どうしても開きたい場合は、リンク先ファイル・シートなどを探す必要がありますが、不要であれば「未解決のまま続行」で開くこともできます。
リンクを開くと、選択することのできない「外部リンクされたシート」が作成されます。
このデータをリンクを解除して編集したい場合は、『シート→プロパティ』を開き、「外部リンク」のタブの、「リンク解除」を選択しましょう。
リンクが解除され編集可能なデータになります。ただし次回以降開いても新規に外部リンクがされないため、取り扱いには要注意です。
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そもそもデータが開かない
データが開かない原因はさまざまです。
全ての解決法はありませんが、一つの要因として「ファイル名」や「フォルダ名」に起因している場合があります。
ファイル名が文字化けしているような場合、ファイル名称を普通の文字に変更することで開く場合があります。
また特にサーバーなどに保存したデータで、深い階層に保存しているデータをそのまま開こうとすると読み取れない場合があります。
その場合は一度デスクトップに保管してから開くと開ける場合があるので試してみてください。
こちらはTFASデータが開けない場合も同様に起こり得ます。長いフォルダ名の深い階層に格納している場合は要注意です。
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2.TFASをDWG/JWW等に出力する
今度は施工図や竣工図など、TFASで作成したデータをDWGやDXF・JWWデータに変換する方法です。
まず変換したいデータをTFASで開いた状態にします。
『ファイル→名前を付けて保存』を選択します。
保存先のダイアログの一番下に「ファイルの種類」があるので、そこから変換したいデータを選択しましょう。
注意ポイント
TFASしか使ったことがない人は知らない方も多いと思いますが、シートの概念は基本的にTFASにしかありません。
他のCADは全てレイヤで管理しているため、建築や設計にデータを渡す際はレイヤの管理に注意が必要です。
TFASだと作図データが自動的に複数のレイヤに振り分けられますが、建築は設備の絵だけほしい場合がほとんどです。
設備のデータをまとめる場合、一つのシートにまとめていても建築さんには意味がないので、一つのレイヤにまとめてあげるなど対応した方がいい場合があるので気を付けましょう。
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ヴァージョンが新しく相手が読み取れない
相手にDWGデータを送ったら「データが新しすぎて開けない」と言われることがあります。
相手の使用しているCADのヴァージョンんが古い場合があるので、その場合はDWGに保存する際のウィンドウでヴァージョンを落とすことができます。
TFASが新しいと変換データも最新に対応していますが、経験上DWGのVerを古くしてもほとんど支障がないので、
常に「2010」で変換しておいた方が余計なトラブルを防ぐことができます。
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一度に複数図面を変換出力したい
設計図などたくさんのデータを一度にDWGデータに変換したい場合があると思います。
方法はこちらの記事を参照してみてください。
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データの色を指定されたがうまく変換されない
プロット図などで、例えば「設備を全て緑にしてデータを送ってほしい」と言われることがあると思います。
でもTFASで緑に表示しているのに、DWGに変換したデータを渡すと色が変わっていないと言われることがあります。
TFASではシートの「単色指定」でシート内データを全て同一の色で表示することができますが、
あくまでシートで設定しているだけで、元データの色を変更しているわけではありません。
変換したDWGデータをTFASで開き直すと分かりますが、変換されたデータは「単色指定」が解除された状態になります。
単色でデータを渡したい場合は、一度シート内のデータを選択し、『色・線種変更』にて直接色変更をしてからDWGデータに変換しましょう。
ただし、元データの色を全部変えてしまうため、そのままTFASで保存すると元に戻せなくなるため要注意です。
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